【書評】お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ

お金

こんにちは、龍です。
どうやったらお金持ちになれるのか、お金持ちになった人はどうやってなったのか、その方法が分かったら将来の不安がなくなると思いませんか。

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の著者、橘玲氏は金融小説でデビューした作家です。ご自身で試した海外投資などを経験に、現在の日本の金融や社会保障制度、税制度を前提にして、どのように人生設計をすれば良いかを説いています。
本書のテーマは、「経済的な視点から見て、私たちが生きているのはどういう社会であり、それを前提とするとどう生きると良いか」です。
本書の説明を、以下に引用します。

自由な人生を誰もが願う。国、会社、家族に依存せず生きるには経済的独立すなわち十分な資産が必要だ。1億円の資産保有を経済的独立とすれば欧米や日本では特別な才は要らず勤勉と倹約それに共稼ぎで目標に到達する。黄金の羽根とは制度の歪みがもたらす幸運のこと。手に入れると大きな利益を得る。誰でもできる「人生の利益の最大化」とその方法。

新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ

黄金の羽根とは、制度や市場の歪みから生じる超過利潤

本書のタイトルにもなっている「黄金の羽根」とは、制度や市場の歪みから生じる通常では得られないような利益のことを指します。
この黄金の羽根を拾う方法を見つけることで、経済的独立に一歩でも二歩でも近づけるのです。

市場経済では、利益は差異から生じます。取得価格と売却価格の差異、売り手と買い手の情報の差異などです。
価格に差異が生まれるのは、市場が歪んでいるからです。場所的な要素や情報量など、様々な要素が市場を歪ませる原因です。

コロナショックが世界を襲った現在は、金融市場で株式や債券、金が軒並み投げ売りをしている人たちがいます。
一方で、割安感から株式などの購入を進めている人たちもいます。売り手と買い手の差異は、手元現金の量やリスク耐性の有無などによって生じていると考えられます。

コロナショックによって損を出した人もいれば、割安株を将来売却して利益を得る人もいるでしょう。
制度や市場の歪みから利益を得るには、制度や市場の仕組みをよく理解することが重要なのです。

お金持ちになる方法はたった3つしかない

本書によると、お金持ちの方程式は次のとおりです。

資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)

この方程式からすると、お金持ちになる方法は、次の3つだけに集約されます。

  • 1.収入を増やす
  • 2.支出を減らす
  • 3.運用利回りを上げる

それぞれについて、具体例を挙げると次のようになります。

収入を増やす

出世をして給料を増やしてもらったり、副業をして収入口を増やすことです。投資用マンションなどを購入して、不動産収入を得る方法も考えられます。

支出を減らす

家賃や通信費などの固定費を減らしたり、外食を止めて自炊にして食費を減らしたりします。

特に都市部では住居費が高いので、住居費を下げることが手元に残るお金を生み出す方法になっています。

運用利回りを上げる

定期預金に預けていても、利回りはわずかです。
少しでも利回りの良い定期預金を探して、銀行を比較している人もいますが、時間当たりの利益からすると見合わないでしょう。

米国株や高配当株のETF(上場投資信託)は、配当利回りが比較的高めと言われています。
ただし、元本の保証はありませんので、購入した金額から下がる投資は嫌だという方には向きません。

すべてのお金持ち本は、この3つに集約される

本書によると、巷に売られている「お金持ち本」は、上記の3つのどれかまたは複数を、様々な角度から説明したものに過ぎないということです。

その上で、日本における制度の歪みを利用して、利益を最大化することが重要と説いています。

住居費と生命保険料を減らすべき

支出を減らすことが、経済的独立への一番の近道です。
日本で生活していく上で、最も大きな支出は住居費と生命保険料だと本書は言います。
その住居費と生命保険料を減らせば、収入から支出を差し引いた純利益を多く残すことにつながります。

住居費を減らす方法として、賃貸よりも持ち家の方が支出が減るので、持ち家の方が良いという人もいます。
しかし、本書は、賃貸よりも持ち家の方が得だという根拠はないと説きます。
持ち家の方が得なのであれば、不動産業者が持ち家を買い占めて、高い賃料で賃貸に回すはずだからです。

生命保険は、長期間掛け続けるため、トータルのコストは大きくなります。
生命保険を長く支払った時にボーナスがもらえるような保険だと、お得だと考えてしまう人もいます。
しかし、そのボーナス部分は、自分の保険料から支出されたものに過ぎないので、貯蓄を保険という形式で行っているだけです。
保険には、広告費や人件費など様々なコストが掛かっているので、単純な貯蓄よりも実際は損です。
生命保険は、不幸があったときに当たる宝くじのようなものです。
当たらないこと、つまり損することが被保険者にとっては良いことなのだと、本書は説きます。

税金と社会保険料は大きなコストである

日本だけではありませんが、生活する上で無視してはいけないのは、税金と社会保険料のコストです。
本書では、税金と社会保険料を合法的に減らすための方法を提案しています。

しかし、通常のサラリーマンにとって、給与から天引きされる税金等は一方的に決められていて、減らせないと考えてしまうものです。こういった意識を変え、行動を変えることも重要なのです。

私たち日本人は、経済的基盤を作っている制度を理解し、その制度を前提として「正しく」行動することが、経済的独立への近道であると、本書は説きます。

まとめ

本書は、経済的独立を達成するための方法として、極めて示唆に富む提案をしています。
制度や市場の歪みは、私たちの知らないところで生じており、その歪みから黄金の羽根が舞い降りています。
黄金の羽根を拾えるかどうかは、自分次第だということです。

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